解決事例紹介

①東北医療機械事件(2013年11月~2016年11月)

東北医療器械事件は、仙台や松島などのホテルや旅館にセラピスト(エステ・マッサージ)を派遣する東北医療器械(のちにREジャパンと改名)に勤務していた20代の男女6人が、同社と取締役15人を相手取り、未払い残業代と精神的苦痛に対する損害賠償などを求めて仙台地裁に提訴した事件です。

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この企業は若者を使い捨てにする、典型的な「ブラック企業」であり、また、求人と実際の労働条件が異なる「求人詐欺」も行っていました。そのため、「新規学卒者としての雇用機会を台無しにされ、専門学校で身につけたスキルやそのためのコストを無為にした」ことの責任を求めていました。若者を使いすてにすることを前提にした労務管理の是非を問うという意味において、全国初の裁判でした。

この裁判は、最終的には勝利和解に終わり、未払い賃金を回収し、代表に下記の通りの謝罪文を出させることができました。20代の若者らが「ブラック企業」に勝利した、画期的な裁判でした。

「利害関係人元社長A氏は、原告らに対し、利害関係人元社長A氏が訴外株式会社東北医療器械代表取締役在任中に、同社がいわゆる新卒である原告らに対し実態とは異なる求人を出して雇い入れた上、長時間労働・残業代未払い等の違法な労務管理を行った結果、原告らが退職するに至ったことについて、同社の代表取締役の地位にあった者として謝罪する。」

外部リンク
仙台POSSEブログ「1月17日(金)仙台地裁でブラック企業に対する裁判が始まりました!」(http://blog.goo.ne.jp/sendai-posse/e/36f3ebc86531984482f3ed723231c614)

エステ・ユニオンブログ「原告たちが勝利和解!~東北医療器械事件~」
http://esthe-union.sblo.jp/article/177676573.html

②ブラックバイト労働審判(2015年11月~2016年1月)

仙台にて、ブラックバイトでは全国初となる労働審判を申し立てました。当事者は、仙台の大学に通っていた、当時大学3年生の学生です。仙台の国分町にあるバーで働いていたこの学生は、アルバイトにもかかわらず、17時から深夜3時ごろまでの長時間労働を強いられ、休みも月に1~2日しかありませんでした。相談に訪れた時はそれだけ働かせられながら、給料は約半年にわたって適切に支払われておらず、少なくとも4か月分は全て未払いでした。さらに、多額の赤字補てんも迫られる、辞めさせてもらえない、損害賠償で脅されるなど、数々の被害にあっていました。が、その時には40日もの連続勤務を強いられ、被害額としても200万に上っていました。その後、なんとか辞めることはできましたが、こうした過重労働のため大学にはほとんど通えず、3年次の単位の半分を落としてしまいます。過酷な労働を強いられ、辞めようとすれば脅され、学業に大きな支障を来す。まさに「ブラックバイト」と呼ぶべき壮絶な働き方でした。

この事件は労働審判を申し立てましたが、これは全国初のブラックバイトの労働審判として、全国のメディアに取り上げられました。その3か月後、この事件は勝利的和解で解決しました。バーの経営者の男性が解決金200万円を支払うというものです。請求した金額をほぼ認めさせる、非常に高い水準での解決となりました。

外部リンク
・仙台学生バイトユニオンブログ「ブラックバイトで全国初の労働審判が申し立てられました」(http://sendaibeitunion.blog.fc2.com/blog-entry-6.html

・仙台学生バイトユニオンブログ「ブラックバイトの労働審判事案が解決しました!」(http://sendaibeitunion.blog.fc2.com/blog-entry-8.html

③コールセンターの一斉退職勧奨事件

コールセンターを運営するA社が,仙台支店の従業員達に対して「仙台支店が閉鎖するので,1か月以内に遠方に転勤するか退職するか選べ」と迫り,仙台支店の従業員のほぼ全員が退職届を出さざるを得なかったという事件です(この会社の求人票には「転勤の可能性なし」と明記されていました)。

納得のいかない従業員の方々が当弁護団に相談しました。当弁護団で調査・検討した結果,A社は,従業員が退職せざるを得ない状況に追い込むため,必要性が無いにもかかわらず遠方への転勤を持ち出したのだと分かりました。

そこで,当弁護団は,退職届が無効であるとして,賃金の仮払いを求める仮処分申立てを行いました。一度書いてしまった退職届の有効性を争うことは簡単ではないのですが,A社との間で和解が成立して解決することができました。

一人ひとりでは争うことが困難な事案でも,多くの労働者が立ち上がれば解決することができると実感した事件でした。

*賃金の仮払いを求める仮処分申立て:解雇などをされた労働者が,裁判中に困窮することを防ぐため,賃金の仮払いを求める裁判上の手続です。認められれば,会社から賃金の仮払いを受けながら,裁判を続けることができます。

 

④その他事件

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